NHKスペシャル「ライスショック あなたの主食は誰が作る~世界がコシヒカリを作り始めた」
さすがNHK、暗澹たる作(誉め言葉)。こういう「誰も儲からない」「誰も楽しめない」番組は、NHKでなければ作れんよ。
(以下放送内容)
世界中でコシヒカリが安価に作られ、日本市場を虎視眈々と狙っている現状。
儲かるコメとして意欲的に作られているから、品質は日本産と比較し遜色ないところまで来ている。
一方、安さを求められ、輸入米を使わなければ生き残れない日本の外食産業。
日本人の「コメ離れ」により米が売れず、しかも食材の価格競争に晒され、米価下落により青息吐息の日本農家。
一部が高品質米の輸出で活路を見出すも、日本人の作った高いコメを海外の富裕層が食べ、海外で作られた安価なコメを日本人が食うという皮肉。
一足先に貿易自由化により海外産米の攻勢に晒された台湾では、コメ農家が壊滅し、企業との契約(ぶっちゃけ小作化)でなんとか生き延びている状況。
食料自給率の低下(先進国最低の39%)を安易に考え、コメの国内生産が壊滅しても構わないと放言する御用学者。
「世界中に友達を持てば、どこからでもコメは買える」とは、けだし名言だね(アホか)。
こっから感想。
さて、コメは世界の市場商品となっており、金さえ払えば確かに買えるかもしれない。しかし、今は国内より安価でも、いずれ価格は上がることは確実。
「仲良く」したところで、結局
・食料生産国の経済発展に伴う、人件費の上昇。
・エネルギーとの取り合い(バイオ燃料化)。
・円の相対的価値低下(もう起きてるけどね)。
・マネーによる投機。
・工業の競争力低下(中、印の追い上げ)による、外貨獲得力の低下。
ここに世界的な気象の異常でも加わればどうなるか・・・。
現状の石油価格を見れば、杞憂ではないと思う。
そのとき日本にコメ農家が生き残っていれば、まだ打つ手はあるけれど、たぶんこのままでは壊滅してるだろう。
工場と違って農地は造成すれば生産物が出てくるわけじゃないからね。休耕田をまともな農地に戻すだけで、何年かかるやら。
しかも栽培ノウハウを持つ農家は既に失われているだろうし。
国防の一環として、農家に防衛費払ってもいいと思うけどね、俺は。
NHKスペシャル「ライスショック」第2集は、今晩(月曜)PM10:00から。
ぜひ見て欲しい。
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